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「主体的に動く」

主体的に動く アカウンタビリティ・マネジメント

主体的に動く アカウンタビリティ・マネジメント

  • 作者: ロジャー・コナーズ,トム・スミス,クレイグ・ヒックマン,伊藤守,花塚 恵
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2009/09/09
  • メディア: 単行本
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確か一年半程前に、この本がとても良いと誰かが教えてくれて買ったのですが、読んでみようとするも、読みたいという気持ちが続かなくて、結局今の今まで本棚で眠らせていた本。でも、自分で考えて動く、ということが、今まで以上に諸に仕事に直結するようになったタイミングで、これもまた、自然と手に取っていました。時期が来た、ということなのでしょうか :)

この本のテーマはひとつ、最初から最後まで「アカウンタビリティ(責任)」について書かれてます。「オズの魔法使い」のキャラクターやストーリーに準えて、被害者意識がいかに悪影響を及ぼすか、アカウンタビリティを持つことがいかに大切か、どうすればアカウンタビリティを持ち続けることが出来るのか、高いアカウンタビリティを持つ人を育てることが出来るのか。一流企業の例を多く用いて、解説が書かれています。

文章自体はそんなに難しくはないのですが、書かれていることを自分のことにあてはめながら読むと、ひとつひとつの言葉に刺されているようで(笑)、なかなか読み終えることが出来ませんでした。アカウンタビリティが自分にあるかどうかのチェック項目もあり、その度に、「自分事として捉えてなかったなぁ」「そうと意識せずに、いつの間にか人のせいにしていたなぁ」と気付かされます。

読み終えるのがきつい本に出会うのは、久しぶりだったような気がします。読んでいる最中は、読みながらでさえ「そんなこと言ったって」と思うことがありましたが、この本一冊を読み終わった今、本当に読んで良かったと感じています。すべてを自分事として捉え、自分の責任として行動する、というのは、悟りの境地でも開かない限り無理なのではないかと思うけれど(笑)、すべては自分で変えられる、という考え方は、むしろ心を晴れやかにしてくれるのだと知りました。一見すると自分ではどうにもならない、と思うことでも、自分の意識や対応を変えることは出来る。人のせいにしたり、自分とは関係ないと思っている限り、物事は決して良くならない。自分事として取り組まない限り、将来を切り開いていくことは出来ない。成果は、達成することへの責任を引き受けて初めて生まれる。

どんなに高いアカウンタビリティを持っている人でも、この本に書かれている「ライン下」(アカウンタビリティを失い、被害者意識に取り付かれた状態)に落ちることは簡単で、常に「ライン上」にいようとすることが大事だ、と書かれていました。

いつもいつも気を張りすぎて、周りの人にもアカウンタビリティを求めすぎるやり方は、自分も周りもしんどくなってしまうと思うけれど、うまくいかないことがあったり、周りのせいにしたくなる時、ちょっと、この考え方を頭に思い浮かべるだけで、物事に対する対応が、全然違ってくると思います。読むのは大変、書いてあることを身に付けるのも大変、だけれど一度読んでしまえば、心にずっしりと沈む良書です。