KLAVIE NOTE

Output first, next input.

Future Centerとデザイン思考

EGMサミット2011 Autumnでお話しを聞かせて頂いた横河電機さんの、Future Centerの見学をさせて頂きました。FC Directorのお二方のお話しはとても刺激的で、わたしが今いる会社のFCと比べて、一歩も二歩も先を行っている感じ。次元が違うと感じてしまうほどだったけれど、でも、学ぶことは多くて、今後の活動に活かしていきたいです。イノベーションのプロセスの図の考え方は、絶対に、活かしていけるはず。

FCの持つ役割として「課題解決」とか「問題解決」という言葉はよく使われるけれど、この表現に、なんとなく違和感を感じていました。Futureのことなのに、なんとなく、わくわくしない。なんとなく、受け身な印象を受けてしまう。その違和感の理由が、今日のお話しを聞いて、わかった気がしました。課題解決というその表現も不適切ではないけれど、わたしはこれこそを「デザイン」と言いたい。2年前にid:papanda0806さんに教えてもらって書籍を読みあさっていた「デザイン思考」と繋がった、と思いました。

ヨーロッパやアメリカのFCのお話しを聞いて、頭に思い浮かんだのは、MITのメディアラボのことです。様々な背景を持つ多種多様な分野の人が集まって、テーマに沿って話し合い、アウトプットを出していく。同類だけで話し合っていても解決できなかったことを、違う考え方を持っている人が、ほんの少し違う角度から見ると、簡単に解けてしまうことだってある。それってまさに、様々な学部に所属してそれぞれの専門知識を深めながら、かつメディアラボに集い、ジャンルを超えて知識を混ぜ合わせ、イノベーティブな商品開発をしている彼らが日常的にやっていることです。

お話しを聞いていて、面白い、と感じたのは、アメリカではそうすることが既に当たり前になっている、ということ。アメリカではFCセッションは星の数ほどあって、人々は日常的にそれらを吟味し、取捨選択し、利用している、ということ。自分達だけでは分からないこと、解けないことは他の人に頼って一緒に考える。それを、当たり前とする、そんな文化が根付いている。どんどん複雑化している物事の、その解き方を皆で考え、そこで得た答えをそれぞれが持ち帰り、それぞれが具体化していく。その過程で差別化の要素が生まれ、そこでまた競争が行われ、そして良いものが残っていく。ひとりでは到底解けない問題がある、ということを、認め、頼れるところは当たり前に頼る。世界が待ったなしで進む中、わたし達日本人にもその力が必要だと感じました。

多種多様な人が集まり、それぞれの知識や背景を持ち寄り、課題や問題を解いていく。それこそ、わたしが思う、デザイン思考の考え方。FCとは、デザイン思考で物事を解決し、新しい考え方、新しい価値を生み出していくための鍵を創り上げる場所。課題解決をするというよりは、今まで見えていなかったことを見ようとし、そして、新しい考え方や価値を生み出すためのデザインをすること。今は、そんなふうに感じています。